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雛祭りの室礼

 

流し雛の室礼
雛人形の本来の姿は、流し雛。厄災を人形に託し、穢れを祓い流し去る雛祭りの原型です。流し雛の風習は今日まで受け継がれており、鳥取の流し雛など古俗を色濃く残しています。
流し雛が生まれるまでの歴史をひもといてみると、そこには中国の「踏青(とうせい)」と、日本古来の「祓え(はらえ)」の信仰が一緒になったという興味深いいきさつがみえてきます。
踏青とは、青い草を踏み、川の流れでみそぎをし、酒をくみかわすことで穢れをはらうこと。「曲水の宴」のもとになった慣し。祓えとは 、身体を浄めるために神に仕える者にお祓いをしてもらうこと。
 

踏青(とうせい)」にちなんで青草色の毛氈を用いました。雛あられで表した川の流れは、床の間を川上とみなしています。
川には紅白の人形(ひとがた)や様々な貝をしつらえました。


 
 

雛の国見せ
古くは三月はじめの巳の日(上巳)に野山や浜辺、川べりに出て、春のやわらかな陽光のもと野遊び、川遊びを楽しんだといわれます。現在、雛祭りといえば室内に雛飾りをしつらえますが、その昔は雛人形を携えて野山に出かける風習がありました。小高い山にのぼり、座をしつらえて雛を飾り、四方を見渡したのが「雛の国見せ」とよばれる行事です。座は特別にしつらえる必要はなく、昔は普段着にはおった晴れ着の羽織を脱いで広げ、そこを座として雛を飾りました。

 

 

 

奉書の紙雛

奉書で折った紙雛を額に入れ、季節の花と供にしつらえました。
雛祭りは人形(ひとがた)に身体の穢れを移し、海や川に流す流し雛が原形です。身代わりの人形のことを形代(かたしろ)と呼びますが、そもそも形代は木や草、紙で作られたものでした。

 

 

 
雛祭りの室礼には桃の花同様、菜の花も不可欠なものです。
今ほど医学が発達していなかった時代は大勢の子どもが亡くなりました。菜の花は早世した子に手向ける花、また菜種油が取れることから故人に供えるお灯明という意味がこめられいます。故に額装の人形も白い奉書紙のみとしました。
 
 
 
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