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桜と花見

旧暦三月弥生は桜の季節(現在の暦で4月頃)。別名花見月とも呼ばれています。観桜は平安時代以来、貴族の間で風雅として愛され、また近世以降は都市部の大衆の行楽として発達したと同時に桜の名所も多くできました。

現在、花見といえばこうした風俗としての側面が一般化していますが、もとは一定の節日があり、単なる風流や行楽の行事ではありませんでした。
旧暦の三月三日または四日を花見とする例は西日本に多く、卯月八日の例は東日本に多くみられます。節日の過ごし方は地方により様々ですが、農作業の開始に先立って田の神を山から迎える山遊びの例が各地にあります。

春の花には農作業や狩猟・漁労の開始となる自然暦の大切な役割があります。桜の開花は各地で作物の植え付けの目安にもされています。サクラのサは田の神、クラは神座として田の神の依代となる花ともいわれ、農耕の予祝として年占に使われることも多くあります。
山遊びとしての花見の花は必ずしも桜だけに限りませんが、桜はこうした性格をもつ春の代表的な花といえます。

(2005年4月掲載)


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